AGAは遺伝する

 AGAの8割近くが遺伝が原因によるものといわれています。特に、20〜30代と若い内に発症する場合は遺伝の影響が大きいようです。これは抜け毛、薄毛になりやすいホルモンバランスが遺伝するからです。父親がAGAなどの薄毛の場合は50%、母親が薄毛の場合は75%の割合で子供へ抜け毛、薄毛が遺伝するといわれています。


母方の祖父がハゲていたらハゲる可能性が高い

 20〜30代と若い内から抜け毛、薄毛に悩まされている男性の血液を調べてみると、X染色体にある男性ホルモン受容体遺伝子(androgen receptor gene, AR gene)に変異が目立つことが分かりました。ドイツ・ボン大学の研究チームは「遺伝子変異のため、頭皮で男性ホルモン受容体遺伝子の働きが強まって、髪の毛が抜けやすくなるのではないか」と発表しています。
 男性はXとYの二つの染色体をもち、X染色体は母親から受け継ぎます。男性ホルモン受容体遺伝子はX染色体上にあるため、母方の祖父や祖母からハゲているとしたら、自分も将来、AGAになる可能性が高いということになります。もちろん、父方の脱毛も自身のAGAの原因に関連する場合があります。


男性ホルモン受容体と他の男性ホルモンとの関係

 男性ホルモン受容体遺伝子はジヒドロテストステロン(DHT)等、他の男性ホルモンと結合してヘアサイクルが乱します。通常の毛髪の成長期は2〜6年ですが、それを数ヶ月から1年と短くしてしまいます。そのため、毛髪が太く長く成長する前に抜けてしまい、薄毛が目立つようになります。
 AGAは遺伝的な要因や環境的な要因が混在していて、いまだ不明の要素が多い症状です。父や祖父もハゲているから自分も遺伝だから仕方がないとあきらめてはいけません。「プロペシア」や「ミノキシジル」等の治療薬で脱毛を食い止め、毛母細胞の働きを活性化させるとともに、食生活やヘアケア等、生活習慣を改善することでAGAを治すことができるのです。自分のAGAの原因をよく知り、治療方針を立てるためにも専門医への相談が重要になります。